相続した実家が、そのまま空き家になっている。年に数回は様子を見に行っているけれど、行くたびに庭が大変なことになっている——千葉県内でそんなご相談をよくいただきます。
建物の中は外から見えませんが、伸びた枝と膝丈の雑草は、道路からも隣の敷地からも丸見えです。空き家の苦情がいちばん最初に出るのは、たいてい「庭」からです。
この記事では、空き家の庭を放置すると具体的に何が起きるのか、そして手入れはどのくらいの間隔で入れればいいのかを、千葉県・千葉市が公表している情報も交えて整理します。なお、費用の目安は庭木の伐採費用はいくら?高さ別の相場に、伐採と剪定のどちらを頼むべきかは伐採と剪定の違いにまとめています。このページは「放置するとどうなるか」と「どう管理するか」の2点に絞ってお話しします。
千葉県の空き家は39万戸超。うち15万戸は手つかずになりやすい空き家
千葉県が公表している令和5年住宅・土地統計調査の確報集計結果によると、千葉県の空き家数は39万4,100戸。このうち、賃貸用でも売却用でも別荘等でもない、いわゆる手つかずの状態になりやすい「その他の空き家」は15万8,500戸で、総住宅数に占める割合は5.0%とされています(出典:千葉県「令和5年住宅・土地統計調査千葉県確報集計結果の概要」)。
千葉県内には郊外の住宅地が広がっていて、庭や生け垣のある一戸建ても多くみられます。マンションの一室と違い、一戸建ての空き家は「建物を閉めておけば終わり」にならないのが難しいところ。人が住まなくなっても、庭の木と草だけは変わらず伸び続けます。
▶ 1年放置すると、庭の景色は完全に変わります
ひと夏を越すだけで、雑草は腰の高さまで伸びます。2〜3年手を入れていない庭になると、もはや「草刈り」ではなく「藪の伐り開き」からのスタートです。作業量が増えれば、当然かかる費用も日数も増えていきます。早い段階で手を入れるほど安く済むのが、庭の管理の原則です。
空き家の庭を放置すると起きる4つのこと
① 枝が越境して、隣家とのトラブルになる
いちばん多いのが、敷地の外にはみ出した枝の問題です。落ち葉が隣家の雨どいに詰まる、駐車中の車に樹液や実が落ちる、道路にはみ出して歩行者にぶつかる——どれも「うちは空き家だから」では済みません。
この越境した枝については、令和5年4月1日に施行された改正民法によってルールが変わりました。原則は従来どおり竹木の所有者に切ってもらうことを求めつつ、次のいずれかに当てはまる場合には、越境された側の土地の所有者が自ら枝を切り取れるとされています。
- 竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが、相当の期間内に切除しないとき
- 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき
- 急迫の事情があるとき
(出典:横浜市「越境した枝の切取りルールの改正について」。改正民法第233条の内容は全国共通です)
つまり、連絡が取れないまま放置していると、知らないうちに隣の方が枝を切っている、という状況が起こり得るということです。切ってもらえるなら助かる、と思われるかもしれませんが、実際には「言っても直してくれない家」という評価が近所に残ります。将来その家を売る・貸すときに、これが地味に効いてきます。
② 害虫・害獣のすみかになる
刈られない草と、積もったままの落ち葉。この2つがそろうと、庭は生き物にとって居心地のよい場所になります。夏場は蚊が発生しやすく、軒下や生け垣の中にハチが巣を作ることもあります。地面に近いところではムカデやナメクジ、藪の奥は猫や小動物の通り道になりがちです。
厄介なのは、被害を受けるのが空き家の所有者ではなく、隣の家に住んでいる方だという点です。所有者は年に数回しか来ないので実感がありませんが、隣で毎日暮らしている方にとっては切実な問題になります。苦情という形で表面化したときには、すでに我慢を重ねられた後、というケースが少なくありません。
③ 「留守」であることが外から丸わかりになる
荒れた庭は、通りから見て「この家には人の出入りがない」という分かりやすいサインになります。郵便受けにたまったチラシと同じです。
その結果として起きやすいのが、敷地内へのごみの投げ込みです。空き缶やペットボトルから始まり、しばらくすると家電や家具が置かれていた、という話も珍しくありません。庭が荒れている家ほど、ごみが増えやすいという悪循環があります。防犯の面でも、外から中が見えない生い茂った庭は、人が身を隠せる場所を作ってしまいます。
④ 市町村から指導・勧告を受けることがある
空き家については、法律と条例の両方で所有者に管理が求められています。千葉市のページでは、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)と千葉市空家等及び空地の対策の推進に関する条例により、「所有者又は管理者による適切な管理が義務付けられています」と案内されています(千葉市「空家・空地の適切な管理の促進」)。
さらに千葉県のページでは、令和5年12月13日に空家法の改正法が施行され、放置すれば特定空家等になるおそれのある空家(管理不全空家)に対して、市町村が指導、勧告を行うことができるようになったと説明されています(千葉県「空き家対策」)。庭木や雑草の状態は、周辺の生活環境に直接影響する分かりやすい要素です。
そして、勧告まで進むと税負担にも関わってきます。国土交通省の空き家対策の特設サイトには、「『管理不全空家』や『特定空家』への指導に従わず勧告を受けると、その税負担の軽減措置(住宅用地特例)が受けられなくなります」と記載されています(国土交通省「空家法とは」)。庭が荒れていることが引き金になって、土地の税負担そのものが変わる可能性もある、ということです。実際の取り扱いはお住まいの市町村の税務担当にご確認ください。
なお、逆のお立場——「隣の空き家の庭で困っている」という方は、千葉市の場合、区役所地域づくり支援課が相談窓口として案内されています。
庭の手入れは年に何回?千葉市は「2〜3回」を目安に案内
では、どのくらいの頻度で手を入れればいいのか。ひとつの目安になるのが、千葉市が空き家・空き地の所有者向けに出している案内です。
千葉市のページには、「雑草や樹木は、特に春から夏にかけて繁茂します。年に2〜3回程度を目安に草刈りや樹木の剪定を行いましょう」と記載されています(出典:千葉市「空家・空地の適切な管理の促進」)。
▶ 季節ごとの目安
- 春(4〜6月)…草が一気に伸び始める時期。ここで1回入れておくと、夏の伸び方がまるで違います
- 夏(7〜8月)…雑草の最盛期。蚊やハチも活発になるため、作業は朝夕の涼しい時間に。無理は禁物です
- 秋(10〜11月)…落ち葉が本格化。隣家の雨どいや側溝への流入を防ぐ意味で、ここも1回
- 冬(12〜2月)…葉が落ちて枝ぶりが見えるため、落葉樹の思い切った切り戻しがしやすい時期
ただし、剪定に適した時期は樹種によって異なります。常緑樹と落葉樹、花を咲かせる木と実のなる木では、切っていい時期が違います。「木を残して整えるのか、根元から切って無くすのか」で作業も費用の決まり方も変わりますので、判断に迷う場合は伐採と剪定の違いもあわせてご覧ください。
自分でやる範囲と、プロに任せたほうがいい作業
ご自身でもできること
- 手の届く範囲の草刈り・草むしり
- 低木や生け垣の軽い刈り込み
- 落ち葉の清掃、側溝まわりの掃き出し
- 道路にわずかにはみ出した細い枝の処理
ただし、作業に入る前に、軒下や生け垣の中にハチの巣がないかを必ず確認してください。気づかないまま刈り込んで巣を刺激してしまうと、大変危険です。巣を見つけた場合はご自身で駆除しようとせず、お住まいの市町村の相談窓口か、ハチの駆除を扱っている専門の業者にご相談ください。
これらは道具さえあればご自身でも可能です。ただし現実的な壁が2つあります。ひとつは移動時間。県外にお住まいだと、往復だけで半日が消えます。もうひとつは刈った後の草木の量です。庭一面の草を刈ると、想像の何倍もの量になります。ご自身の車では運びきれず、刈ったまま庭の隅に積んでおいたら結局そこが虫のすみかになった、というのはよくある失敗です。
プロに任せたほうがよい作業
- 脚立やはしごを使う高さの作業…転落は本当に危険です。慣れていない方の高所作業はおすすめしません
- 隣家の屋根や塀に接している枝…切る方向を誤ると、被害が他人の物に及びます
- 電線に接している・近づいている枝…これは当社を含め、業者が勝手に触れてよい作業ではありません。まず電力会社にご連絡ください
- 幹の太い木の伐採、根の掘り起こし(抜根)…倒す方向のコントロールに経験が要ります
- 数年放置して藪になった庭…刈るより「運び出す」ほうが本番です
費用がどう決まるのかは、木の高さ・幹の太さ・本数、重機が入れるか、隣家との距離といった条件で変わります。具体的な考え方は庭木の伐採費用はいくら?高さ別の相場と依頼のコツにまとめていますので、予算感を知りたい方はそちらをご覧ください。千葉市内の事例は千葉市の庭木伐採・剪定でもご紹介しています。
遠方に住んでいる方が、空き家の庭を任せるときのポイント
ご実家が千葉、ご自身は都内や県外——という方が多いため、「立ち会えない前提」でどう頼むかが実務上のポイントになります。依頼先を選ぶときは、次の点を確認しておくと安心です。
- 現地確認に来てくれるか…庭の作業は写真だけでは量が読めません。現地を見ずに出た金額は動きやすいものです
- 見積もりが無料で、内訳が明確か…「草刈り一式」ではなく、作業と運び出しが分かれて書かれているか
- 切った草木の運び出しまで含むか…ここが別料金かどうかで総額が大きく変わります
- 追加費用が発生する条件を事前に説明してくれるか…想定外が出たときにどうなるかを先に聞いておく
- 立ち会えない場合、作業後の写真を送ってもらえるか…遠方の方にはこれが大きな安心材料になります
- 実績や口コミが確認できるか、対応が丁寧か…最初の電話・メールの感じは、そのまま当日の作業の丁寧さに出ます
庭を整えたら、家の中も一緒に片づけてしまうのが効率的
遠方から何度も足を運ぶのは大変です。せっかく業者を呼ぶのであれば、庭と屋内をまとめて依頼したほうが、移動と立ち会いの回数を減らせます。
空き家の中に残っている家具や家電の整理については親の家を片付けたい|空き家整理を業者に頼む手順、船橋市での実際の進め方は船橋市で親の家・空き家の片付けにお困りの方へで解説しています。売却や賃貸に出す前に残っている家財をまとめて片づけたい場合は残置物撤去のページ、市原市・千葉市緑区での事例は市原市・千葉市緑区の残置物撤去もあわせてご覧ください。
千葉県の空き家のお庭の管理はFトレードへ
Fトレードは、千葉市を中心に、船橋市・成田市・佐倉市・八千代市・市原市・柏市・松戸市・市川市など千葉県内の広い範囲で、伐採・剪定・草刈りから、切った草木の運び出し、屋内の片づけまでを一括でお引き受けしている便利屋です。
「何年も見に行っていないので、今どうなっているか分からない」という状態でも問題ありません。現地を確認したうえで、無料でお見積もりをお出しします。遠方でお立ち会いが難しい場合は、作業完了後の写真でご確認いただけます。まずは「実家の庭が荒れていて」の一言からご相談ください。



